キャッシュフロー表上の数値について
キャッシュフロー表上に記入する数値は、将来の物価上昇等を加味した「将来価値」で表すのが通常です。
しかし、20年後、30年後と先になるほど、数値が大きくなりすぎて実感がわかないなどの理由から、
将来価値で求められた数値を物価上昇率で割り戻した「現在価値」でも表記する場合があります。
それぞれの求め方や特徴をおさえておくべきでしょう。
まず、将来価値とは、将来的な物価上昇等を加味した金額です。
たとえば、現在の基本生活費を年間132万円、基本生活費の変動率をプラス1%とすると、
1年後と5年後の基本生活費は次のようになります。
- 1年後の基本生活費:132万円×(1+0.01)≒133.3万円
- 5年後の基本生活費:132万円×(1+0.01)の5乗≒138.7万円
このように将来価値で表記する方法は、将来の変動率を加味し、
その時点での金額で表記するのでわかりやすい。
しかし、遠い将来の金額については、変動率を高く設定するほど実感のわかない
大きな数値になってしまう。そこで、現在価値を用います。
現在価値とは、将来価値で求めた数値を物価上昇率で割り戻したものです。
たとえば、先に求めた基本生活費について、物価上昇率を0.5%として
割り戻すと、1年後と5年後の基本生活費の現在価値は以下のようになります。
- 1年後の基本生活費の現在価値:133.3万円÷(1+0.005)≒132.6万円
- 5年後の基本生活費の現在価値:138.7万円÷(1+0.01)の5乗≒135.3万円
現在価値で表記する方法は、物価の上昇分を割り引くことになるので、
現在の貨幣価値で数値が表され、わかりやすいといえます。
しかし、元利均等返済で組んだ住宅ローンのように、毎年返済額が変わらないものを
物価上昇率で割り戻すと、年々数字が減っていくため納得が得られなくなる危険性もある。