近年、日本経済・社会情勢が大きく変わり、人々の生活にさまざまな影響を与えている。 企業との関係においても、これまではあたりまえに考えられていた”終身雇用”や”年功序列” が崩壊しはじめ、人々の将来に対する不安感が高まっている。 また、公的年金も従来の給付・負担水準を保つことが難しくなってきており、 今後の動向が気になるところである。
このような状況の中、将来のライフデザイン(生き方)や長期的視点に立った ライフプラン(生涯設計)を自分自身で立案し、それを具体化していくための ファイナンシャル・プラン(資金計画)を持つ必要性がますます高まってきている。
個人のライフプランやファイナンシャル・プランのニーズは、今後ますます 高くなっていくと予想できる。FPは、このようなライフプランや ファイナンシャル・プランのニーズを持つ、多くの人たちの経済的な自立を支援し、 貢献するという社会的役割を担っている。
FPはサポートする過程において、 単に専門知識と技術を持っているだけでは不十分であり、 顧客が漠然と抱いている不安や問題意識を共有し、顧客自身がより積極的に プラン作りに関われるように導くことが重要となる。 そのためにも、FPにはカウンセリング能力が大切な資質として求められる。
FPは、顧客の収入や支出、資産や負債に関する情報を知り得る立場にある。 そのため、「守秘義務」は厳守しなければならない。
また、具体的な資金計画には、資産運用計画や保険設計など、 金融商品の選択を伴うものがある。FPがこれらの金融商品を扱える立場にある場合は、 顧客との利益相反に注意しなければならない。 FPにとって「顧客利益の優先」も職業倫理の1つとして重要である。